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今年のチャレンジ・経過報告13   

2006年 05月 14日

 今年の2月、東京で金子達仁氏と食事をする機会があり、持参した『兼八』『兼八JALオリジナル』『宇佐むぎ』『兼八原酒』を飲み比べ、料理と合わせて楽しんでいた。

話題は、1月に仕込んだこの焼酎へ。
この焼酎を造るきっかけ、原料の選定、出来上がりのイメージ及び、実際の出来上がった焼酎について、さらに、製麹(せいきく)している時の状態や心情を説明していた。

しかし、2月の時点では、蒸留まで出来た喜びだけで、商品としてのことは一切考えられずにいた。
そこで、その場にいた6名で商品名を決めようと言う事になり、案を出し合っていたが、なかなか決まらず…。
私が、「そういえば、『決戦前夜』という焼酎がありましたよね?」と軽く振ってみた。

「ん~っ、『ナ・キ・ム・シ』!?」

髙田延彦氏の人生、魂を注ぎ込みこの本を書き上げた金子氏の情熱とこの焼酎を造る杜氏・蔵人の思いが一気にシンクロし、その場では、『泣き虫』という商品名に決定した。
すぐに、金子氏から髙田氏に電話していただいたが、その時は繋がらず…。

その時電話が繋がらなかったのに加え、酒の席の事なので…半信半疑だったが、大分へ戻り、実際に使用できるかどうか商標検索し、未登録であることを確認してから、商標登録の手続きを行う。

3月末、事態が急展開することに。
金子氏から電話があり、髙田氏が快く承諾していただき、しかも、『泣き虫』の題字を書いていただけるということに。

高田氏と言えば、私が中学生の時、ここ田舎であった、U.W.F.の試合を観戦した際、会場の櫓に登り、戦いを終えた髙田選手にU.W.F.のシャツにサインをもらったことがある。
その時交わした言葉は、今でも鮮明に覚えている。『坊主、シャツにサインする時は、両方から引っ張らないと書けねえだろ!』
その髙田氏の書をいただけるなんて…夢でも見ているのではないか?

 そして、約束の日の5月10日、午後5時に両氏がお見えになられた。
まずは、その焼酎の試飲をしていただく。貯蔵している原酒と、25度に加水したものと。

「最初の口当たりがやわらかく、ほのかに甘味も感じる。」
「兼八の良さを残しつつ、新しく良い物だ。」と感想を頂く。

髙田氏が持参した書道道具で書いていただきました。

『泣き虫』。
今年のチャレンジ・経過報告13_b0029202_14192925.jpg
注)文字は実際に書いていただいたものとは違います。

この焼酎『泣き虫』。
金子氏の著書、高田氏の書に負けないように、さらに熟成させ、丁寧な仕上げを行い、さらなる品質の向上を目指していきます。

四ッ谷酒造五代目

by shochuya | 2006-05-14 15:43 | 蔵・焼酎【五代目】

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